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flowers for algernon

どうしても、書かなければならない。書き残しておかなければならない感情の記憶がある。この気持ちを文字として形に残しておかなければ後悔する。

「アルジャーノンに花束を」を読んだ。
単純だろうが何だろうが、素直に涙が止まらなかった。帰りの電車で、残りの頁を途中で終わらせてしまうのが惜しくなって、カフェで一気に読み通した。何がこれほどまでに心を揺さぶって、人目を憚らずに目を潤ませ、帰路の自転車に乗りながら一人咽び泣いていたのか。

ただ単なる読書感想文にはするまい。ここは自分自身の心の鏡である。文体が学んだものに影響されているのも、自分がここから確立され直しているのだということを感じさせる。
今いる境遇から、想いを寄せる貴女への気持ちから、今学んでいること、この先学ぼうとしていること、それら全てが、読んでいる自分自身に暗示を示しているような気がしてならなかった。
主人公に共感し、境遇に同情し、普段目の前にしている子どもたちが、この先どうなっていくのか、彼らの感情に寄り添うということは、果たしてどういうことなのか。何が必要で、彼らには何をしてあげればいいのか。彼らは何を望んでいるのか。そして私はこれまで、何をしてあげられたのか。


ただただ、悲しみが込み上げてくるのは、自分に酔っているからなのだろうか。もしそうであれば、あまりにも気障すぎるし、あまりにも陳腐な感情である。ただこの胸の奥深くから染み出てくるような、湧き上がってくる悲哀的な感情は、そんな安っぽいものではない。自己憐憫、彼に同情するのと同じように、自分自身にたいしても同じ思いを抱く。

私には、しなければいけないことが山ほどある。まだまだ足りない。何一つ足りていない。
ようやく気付いた。こんなところに立ち止まっているわけにはいかない。



by ragaru | 2018-08-29 22:28 | Daily life  

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